この記事はこんな方におすすめです。
ベジタリアンをする人ってどういう理由で続けるの?マニュアル通りではない、リアルな経験談を聞きたい。
こういった方に、以下の内容をご紹介していきます。
私は、約30年間ベジタリアン生活をしてきました。日本でのベジタリアン人口比率は4%と(※1)、海外の他の国と比較するとまだまだ一般的ではなく、環境も整っていないため、継続が難しいと感じることがとても多いです。この記事では、こういった状況にありながらも、私が約30年継続してきた理由をまとめてみたいと思います。ベジタリアンになる理由は千差万別ですので、一事例として御覧いただければと思います。ベジタリアンに興味がある方に、何か参考になれば嬉しいです。
(※1)参考:観光庁|飲食事業者等におけるベジタリアン・ヴィーガン対応ガイド
ベジタリアンや食というテーマを通して世界を学べるから
ベジタリアンを継続する理由は、その時々によって様々に変化してきましたが、現在の最も大きな理由の一つが、これです。
ベジタリアン生活をしていると、“ベジタリアン”に関わる情報に自然と興味がわき、“ベジタリアンや食”というテーマを通して、世界で起きている様々な出来事を身近に感じることができます。たとえば、私は“ベジタリアン”を継続する中で、以下のような畜産に関する様々な社会問題を知りました。
・畜産環境問題(家畜の排せつ物を含んだ汚染水による環境問題)
・飼料添加物の安全性
・温室効果ガス全体の18%は畜産からの産出と言われるように、家畜動物達が全世界の交通機関(全ての自動車・飛行 機・船)から産出される温室効果ガスよりも40%も多くの温室効果ガスを産出し、土壌や水質の劣化の主要な原因になっていること
・8億500万の人々が飢餓状態にあり、約20億人が栄養失調に苦しんでいる一方で、世界の穀物の約40%は家畜のための飼料にされていること
欧州では、こういった背景から植物肉が作られるようになったり、人々の関心を集めているそうです。
ベジタリアンでいることで、“ベジタリアンや食”というテーマを通して世界の現状や課題を身近に感じ、当事者として考えることができると感じています。このように、社会への向き合い方を考えるきっかけになるところが私がベジタリアンを継続している一番大きな理由です。
マイノリティの立場を学べるから
視点の獲得という意味で一つ目のものとも似ているのですが、日本のベジタリアン人口比率は4%と未だマイノリティなので、マイノリティの立場を知る勉強にもなると感じています。
例えば、「私はベジタリアンです」と言うと、「何か押し付けられるのかもしれない。暗に非難されているのかもしれない。」とか、「あまり聞いちゃいけなかったかな」などと、不安になったり、気まずい気持ちになる場合も多いようです。(あくまでも、個人しらべです。)
よく知らないものに出会った時に不安や気まずさを感じる気持ちはわかるので、公言することは時や場合、人を見極めた上で行ったり、言う時でも不安や気まずさを与えないよう十分に気を付けています。こういった体験を通して、自分が逆にマジョリティの立場になった場合、どのようにふるまうべきか、と考えるきっかけになっています。
時間の節約になるから
これもベジタリアンを継続する理由の中で、とても大きな割合を占めているものの一つです。
例えばレストランに行った場合、ベジタリアンが食べられるメニューはほぼ決まっています。“ベジタリアンメニュー“と示されているか、あるいはお肉・お魚・卵・乳製品が含まれていないメニューは消去法で1、2種類程度です。メニュー選びに時間はかかりません。
スーパーに入っても同じです。スーパー自体は品数が多いですが、多くのものにお肉の成分が入っています。例えば意外なところですと、野菜のお菓子にもチキンエキスやコンソメ、豚を含むゼラチンなどが入っていることが多いです。選択肢は限られているので、目当てのコーナーからピックアップしてレジに直行です。
このように、レストランのメニュー選びやお買い物がスピーディーにできて、それによって節約できた時間を他のことに使うことができるのも気に入っています。
美容・健康面で特にデメリットを感じていないから
毎年の健康診断では、長年良好な結果を保っていますし、特に風邪をひきやすいとか、体調を崩しやすいということもありません。また、思春期以降はニキビなどの肌トラブルに悩まされることも一切ありません。他の方から体型や肌をほめていただくことも多いので、極端にやせ細っていたり、土のような顔色をしているといったこともないのでしょう。
お金や時間がかかるスキンケアやメイクは一切不要で、お風呂上りは化粧水とオイル、お出かけ時は眉毛とパウダーのみというシンプルケアで済むのも助かっています。
繊細な感覚を育てられるから
これは客観的に証明できるものではないので、周囲の声と自身の実感からの話になります。
私は比較的、味覚や嗅覚が敏感だと言われたり、自分自身でそのように感じることも多く、これはベジタリアンの食生活が関係しているように感じています。
例えば、匂いに敏感なので、お店の中を歩いていると、化学物質の匂いで頭痛がしてしまうことは多々あります。また、道を歩いていて、通りすがった人から香る洗剤や香水の香りなどでも頭痛や眩暈、鼻が痛いなどの症状が現れることもしばしば。そのほか、会社の中で「この方は昨日お肉を食べすぎたのかしら?」と、他人の体臭の変化を感じることもあります。
嗅覚以外も敏感です。食品添加物や化学成分を含む食べ物は、パーマ液みたいな味だなと感じることもあります。外食でお腹を壊すことも多いです。仕事が忙しいなどで、外食に頼ることの多い時期は、この体質が不便だなと感じることはあります。
ですが、効率的に日常を送ることよりも、健康を保持することの方が大切ですから、この繊細な感覚が体に悪い成分をとらえるアンテナとして機能してくれていることは、本質的にはありがたいことだなと感じています。
もちろん、繊細な感覚は不都合なことばかりではありません。素朴な食べものでも味の違いや、奧行き、様々な風味を感じ取ることができるため、例えばお米にお味噌をつけるだけのシンプルな料理も、とてもおいしく味わうことができます。
ベジタリアン生活で形成される性格や気質に興味があるから
「糖質が少なくたんぱく質が多い食事を食べたチームのほうが、不公平な提案に対して寛容だった」というアメリカで行われたとある心理実験の結果をまとめた論文をご存じでしょうか。この結果は、食べるもので性格が変わり、意思決定が変わり、人生が変わるということを示しています。
お肉を食べる食生活でどのような性格が作られ、ベジタリアン生活でどのような性格が作られるかという比較の上で、ベジタリアン生活で形成される性格に興味があるというわけではありません。
私は、できる限り自分の意思で人生を作っていきたいと思っています。人生の形成に、食べ物が影響を与えるならば、食べ物も自分で選択したいと思います。そのうえで形成される性格や、それによって導かれる人生に興味を持っています。
まとめ
以上が、私が約30年間ベジタリアン生活を続ける理由でした。一番最初の頃は、ただの興味本位だったり、学生の頃は何か生活に制限を設けることで見えてくる世界に興味をもったりなど、ベジタリアンを続ける理由はその時々によって変化してきましたが、現在の私が感じているところをまとめてみました。
ベジタリアンをする理由としては、宗教やアレルギー、畜産が関わる環境問題、美容や健康改善などが一般的に言われています。主義主張として見られる面も多いですが、私みたいにライフスタイルとして気に入っているからといったゆるい理由の人もいるよということがお伝えできていると嬉しいです。
ここまでお読みいただき、どうもありがとうございました。
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